【行道・獅子奮迅】(ぎょうどう・ししふんじん)
昨年に引き続き行道を行う。今回は昨年十月十五日に行われた東大寺大 仏開眼一一五〇年慶讃法要の初日に演技した伎楽を一部再現する。
獅子が舞台へあがり暴れ狂う。そのあとを追う獅子児は必死に綱をにぎっている。
その後やってくる酔胡王と酔胡従が宴会を始める。その酒のにおいを嘆ぎつけまたもや大暴れ。酔胡王と従者は慌ててにげる。
ここで 知恵のまわる老僧、婆羅門が登場する。老僧は金剛と力士を連れてくる。
ところが怪人崑崙も忍び寄ってくる。金剛・力士が獅子を追いつめたそのとき崑崙の邪魔が入り、形勢は逆転する。金剛・力士が逃げた後にはすで に崑崙の姿はない。
次いでやってくるのは呉公である。この貴公子が吹く 笛のメロディは獅子を和ませるが、またもや崑崙の企みにより獅子は正気を取りもどす。
次は呉女と呉女従である。獅子の好物、牡丹の花を差しだす。獅子は喜び踊り出す。それに合わせて呉女達は輪を作り踊る。が、その呉女の中に崑崙がこっそり混じっていた。
崑崙が獅子の尻尾を踏みつけると、獅子はその痛さに狂いまわる。
次ぎは深い信仰心をもつ大孤父と大孤児が登場する。大孤父は獅子の前で経文を唱え出す。すると婆羅門や獅子児達が次々と加わり、経文の大合唱となる。
最後まで来たところで獅子児は立ち上がり、大仏を拝む。
紙吹雪と共に天より頂く五色の玉により獅子はようやく落ち着き、舞台は幕を閉じる。