【三蔵法師】(さんぞうほうし)

 薬師寺では、玄奘三蔵院伽藍の建立1年日に当たる平成4年5月、玄奘三蔵会大会が営まれた。
この法要の時、伎楽装束を調整し、薬師寺独自の伎楽「三蔵法師を創作し演じた。
この新作伎楽は、玄奘三蔵のインドヘの求法の旅を、「西遊記」とは違って、玄奘自身の書いた「大唐西域記」に基づいたものである。 
三蔵法師の役を素面の役者さんが、私ども雅楽部が、その他の演技と演奏をつとめた。 

最初の三蔵法師は田村高廣さんであった。 
その後毎年1作づつ作られ、5年で5作目となった。
平成7年4作目と、翌8年の5作目に玄奘の役をしたのが、水谷さんであり、この時から、雅楽部はお付き合い頂くようになったのである。 
ちなみに、4作目の時は良重さん、5作目の時は八重子を襲名されていた。 
八重子さんは、平成9年の3月9日、私どもの第22回東京公演(虎ノ門ホール)に、特別に出演し、舞台を飾って下さった。 
  新伎楽「三蔵法師」は、6年目からまた1作目に戻って、より完成度の高いものに仕上げることになった。 
その順序でいけば、平成13年は、第5作目を演ずる番であった。
しかし、この年の元旦、絵殿に平山郁夫画伯の絵が納められ、玄奘三蔵院伽藍は真に完成した。
これ記念して、玄奘三蔵会大祭の伎楽は、玄奘の出国に始まり帰国して経典の翻訳を行うまでの総集編を作り、2日間演じた。
この時の玄奘役は、片岡仁左衛門さんであった。 
翌平成14年、八重子さんが、総集編の玄奘を演じ、去年、再度演じた。 
雅楽部として4度目の共演である。 
今回の定期公演では、水谷八重子さんが、天理・大阪・東京の全ての公演に、友情出演して下さることになった。 
声明をつとめて下さるのは、薬師寺録事の松久保伽秀さんである。

歴代の三蔵法師役は 当サイトの薬師寺のページにあります。