【親子獅子】(おやこじし)
今回は平成15年3月30日に行われた薬師寺大 講堂落慶慶讃法要(花会式)の初日に演技された 伎楽を再現する。
仲のよい親子の子獅子が穏やかに暮らしている。
ある日、子獅子は悪者、崑崙の仕掛けた玉を追い かけているうちに親獅子と離ればなれになってし まう。子獅子を探そうとする親獅子、親獅子を求め る子獅子。
ここから子獅子は色々な苦難、誘惑の 試練に立ち向かうことになる。
最初は崑崙の誘惑(賭博)である。 崑崙は玉の 代わりにサイコロを出し治道も入りサイコロ遊びに 興じるが、次第に子獅子はサイコロを自分のもの にしようと争いが起こってしまう。
心配し祈りを捧 げる親獅子のもとに弥勒如来の使いである太孤父 が太孤児に付き添われて登場する。太孤父の 命令こより現れた霊鳥、迦楼羅は暴れる子獅子を 宥める。
次にやって来た酔胡王と酔胡従は宴会を始め 子獅子を誘惑(酒)する。酔胡従に無理矢理酒を 飲まされ暴れ出した子獅子と酔胡従のもとにまた も太孤父の遣いの迦楼羅が現れ子獅子を、さらに 酔胡従には金剛・力士を遣わし酔胡従を追い払 う。
続いて呉公が呉女と呉女従を連れてやってく る。呉公にもてなされた子獅子は山海の珍味(食・ 楽)を独り占めしようとする。酒色に溺れそうな子 獅子のもとに迦楼羅が現れ我を取り戻す。
次に現れた老僧、婆羅門は子獅子に色々な問 題を投げ掛ける。初めは諦めていた子獅子が自 ら悟り、次々に答えを当てていく。
こうして子獅子が 親離れして、数々の試練を乗り越えることによって 精神的な成長をし、最後に親獅子との再会に喜び の舞を舞って舞台は幕を閉じる。